スキップして本文へ

KOSMOSフォーラム

第1回フォーラム

平成15年11月2日(日)

フォーラム

テーマ 自然と人間との共生~ 「自然を統合的に読むとは」
パネリスト・講師

養老 孟司(北里大学教授)
村上 陽一郎(国際基督教大学教授)
小山 修三(国立民族学博物館名誉教授)

コーディネーター
岩槻 邦男(放送大学教授)

1_photo02.jpg 1_photo06.jpg 1_photo07.jpg

1_photo01.jpg

国際花と緑の博覧会が契機となって、「人と自然の共生」は今では常識的な表現になっている。しかし、元来相反する用語である「人」と「自然」を並列し、その間の「共生」を求めるということがどういうことか、真剣に考察してこの標語を使っている例がどれだけあるだろうか。人と自然の共生のあり方を探るコスモスフォーラムの第1回は、「自然を統合的に読むとは」というテーマのもとに語り合う。20世紀の科学は解析的、分析的研究の飛躍的な発展に基づき、すばらしい技術の革新を成し遂げ、物質・エネルギーの豊かさを一途に追求し、かなりの成果を上げてきた。20世紀初頭に比べて、病は克服されて平均寿命は大きく延ばされ、衣食住の豊かさや生活の利便を見れば、世紀初頭には考えることもできなかったほどの進歩を刻んできた。しかし、同時に、21世紀に向けて、深刻な環境問題や南北問題などの課題を持ち越したこともまた広く認識されているところである。21世紀の科学にとって、20世紀の成果に上積みするものを積極的に追求して行くことは当然であるが、同時に、負の遺産の解消に寄与することも極めて重要な責務である。そのために、解析的、分析的な研究手法に、統合的な視点を加えることが不可欠である。人と自然の共生の追求は、地球の持続性の追求であり、そのための科学の構築が期待されている。コスモスフォーラムの第1回目は、21世紀の科学に期待されることは何か、コーディネーターを加えて4人の異なった分野の科学者が、それぞれの立場から21世紀に期待される科学とは何かを語り、お互いの考え方を論じあう。この議論を通じて、参加者に「人と自然の共生」を考えるきっかけを与えることができ、地球の持続性に寄せる期待を参加者自身が陶冶する機会となることを期待したい。