2002年(第10回)受賞者
氏名 | チャールズ・ダーウィン研究所 Charles Darwin Research Station |
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設立 | 1964年1月 |
場所 | エクアドル領ガラパゴス諸島 サンタクルス島 プエルト・アヨラ |
授賞理由
チャールズ・ダーウィン研究所は、国際的NGO・NPOのチャールズ・ダーウィン財団(本部ベルギー・ブリュッセル)によって、1964年に設立された生物研究所で、南米エクアドルの西約1,000キロの赤道直下に位置するガラパゴス諸島で、島の自然を守るための多角的な活動を行ってきた。ガラパゴス諸島は、1835年に、英国の生物学者チャールズ・ダーウィンが調査を行い、それをもとに、著書「種の起源」を発表したことで全世界に知られるようになったところ。島の名前の由来となった巨大ゾウガメや、特異な形をしたウミイグアナなど、地球の生命の進化を物語る数多くの固有種が生息することで世界的な注目を集めている。20世紀前半から入植者が増加し、島の固有生物の減少や生態系の破壊が急速に進行していた。チャールズ・ダーウィン研究所は、設立以来、ガラパゴス諸島の陸上、海域両面にわたる生物と生態系の調査を行い、絶滅の危機に直面していたゾウガメなどの保護と増殖をはじめとする島の自然を守る直接活動のほか、島の住民への環境教育、島の現状を全世界に伝える出版など、多角的な活動で大きな成果を上げてきた。
太平洋上の火山島で、目々自然との共生を実践しながら、地球の生物進化のひとつの原点ともいえるガラパゴスの学術研究と自然保護とを見事に両立させているチャールズ・ダーウィン研究所の活動は、世界の人たちに、地球上の生命とその進化について考えるための極めて大きな貢献を果たしてきたということができる。これは、地球上の生命への畏敬を基礎に、生命現象の本質を探ろうとするコスモス国際賞の趣旨に合致するものである。
略歴
1959年 | チャールズ・ダーウィン財団設立 ガラパゴス国立公園設置 |
1964年 | チャールズ・ダーウィン研究所設立 |
1965年 | ゾウガメ飼育プログラムの開始 |
1971年 | ピンタ島固有種のガラパゴスゾウガメ、最後の1頭を発見 |
1976年 | リクイグアナプログラムの開始 |
1978年 | ガラパゴス諸島のユネスコ世界自然遺産登録 |
2001年 | 海洋保護区も含むガラパゴス諸島のユネスコ世界自然遺産登録 |
2003年 | 海洋保護区における基礎研究の完了 |
2004年 | エクアドル政府より「オノラト・バスケス国家勲章コマンダー級」を授与される |
授賞式来日メンバーの経歴
フェルナンド・エスピノザ博士 (Dr. Fernando Espinoza)
チャールズ・ダーウィン研究所所長・同財団理事長
生年月日 | 1954年6月16日 |
国 籍 | エクアドル |
学 歴 | 1981年 エクアドルカトリック大学 生物科学部卒業 1986年 ブラジル サンパウロ大学 科学博士 |
職 歴 | 1986~2001年 エクアドルカトリック大学 研究員、教授 1997~2001年 チャールズ・ダーウィン財団 事務総長 2002年~ 同財団理事長兼チャールズ・ダーウィン研究所所長 |
アラン・タイ博士 (Dr. Alan Tye)
チャールズ・ダーウィン研究所 植物学部門長
生年月日 | 1953年8月1日 |
国 籍 | 英国 |
学 歴 | ケンブリッジ大学卒業、博士号取得 専攻 鳥類・熱帯植物の生態学 |
職 歴 | Sierra Leone大学講師、アマゾンのAmacayacu国立公園鳥類主任研究員、タンザニアのEast Usambara山森林保護アドバイザーを経て1996年からャールズ・ダーウイン研究所の植物学部門長、現在に至る。 |
ギュンター・レック博士 (Dr. Gunter Reck)
キト・サンフランシスコ大学教授、元ダーウイン研究所所長
(1999年~今年5月まで海洋部門長を兼務)
生年月日 | 1946年4月14日 |
国 籍 | ドイツ |
学 歴 | 1973年 キール大学 動物学部卒業 1984年 キール大学 海洋科学で博士号取得 |
(写真左から)
エスピノザ所長、タイ博士、レック博士