<趣旨> 今、福祉の世界にも大きな変化がおき、新しい福祉のあり方が求められている。一人ひとりの“いのち”を大切にし、誰もがさまざまな関わりのなかで豊かに生きていくことのできる方法として、花や緑などの園芸や自然を生かすことが注目されている。 自然に触れることは、とりわけ障害のある人や高齢の人にとって、五感を刺激し、感覚を呼び覚まし、生きる力を育むことにもつながる。また、施設のなかに自然を取り入れることは、施設をやわらかで人間的なものに変えることにつながるとともに、豊かなコミュニケーションをつくりだすことができる。そこで、人と人、人と自然が共生する新しい福祉のあり方について提案するセミナーを実施した。
<成果> 園芸療法に関心のある人、農業について学ぶ学生、教員、アーティストなど全国各地から熱心な参加者が参加した。自然を通して一人ひとりの物語を大切にするケアについて学びあうことができ、また社会に対して提案することができた。
セミナー内容
◆セミナー1日目【2005年2月19日(土) 奈良市北部会館市民文化ホール】 ◇基調講演1「コミュニティにおける癒しの空間づくり」浅野房世(園芸療法士) ◇基調講演2「植物のコミュニケーション?人間にとって植物はどのような存在か」三輪敬之(早稲田大学理工学部教授) ◇事例報告1「園芸療法のこころ」グロッセ世津子(園芸療法実践家) ◇事例報告2「季節折々のデイサービス」石神洋一(NPO法人たかつき代表) ◇事例報告3「自然を通して障害のある子どもの感性を育む」山田万希生(たんぽぽ生活支援センタースタッフ) ◇事例報告4「見沼田んぼ福祉農園のコミュニティ活動」猪瀬良一(見沼田んぼ福祉農園代表)
◆セミナー2日目【2005年2月20日(日) たんぽぽの家】 ◇ワークショップ(選択制) (1)「ガーデンシアター」銅金裕司(メディアアーティスト) (2)「自然の素材をいかしたクラフトづくり」グロッセ世津子 (3)「自然の色を染める」寺川真弓(染織家) (4)「竹による創造的な楽器づくり」牧野淳子(京都市立芸術大学非常勤講師) (5)「全身で味わう食と農のおいしさ」ならフードケア・システム研究会
関連成果物(公表した論文、活動の写真等)
「ガーデンシアター」 ワークショップの様子
「自然の素材をいかしたクラフトづくり」 ワークショップの様子
「自然の色を染める」 ワークショップの様子
「竹による創造的な楽器づくり」 ワークショップの様子
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