平成18年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) | ひと・むし・田んぼの会〔長野県〕 |
---|---|
事業名 | 図鑑「農家と水田生物との共存:カメムシ写真生態図鑑」の刊行 |
事業の実施場所 | 信州大学農学部(長野県上伊那郡南箕輪村8304) |
事業の実施期間 | 平成18年4月~平成19年3月 |
事業の概要 | 農業を永続的に営むことによって多くの生物が水田を生活場所として利用し、生物相を次世代へ残す取り組みとして、本事業で図鑑「農家と水田生物の共存:カメムシ生態写真図鑑」の刊行と成果のCDによる配布を行う。 |
成果の要約 | 水田を中心とした農地は、哺乳類、鳥類、両生類、昆虫類、爬虫類、植物、微生物など非常に多くの生物が生息する空間として貴重な存在となっている。多くの人々は農地を単に農産物を生産する場所としてしか認識していないが、実際には多くの生物が生息する空間として、豊かな景観を形成する場として、また洪水防止や気象緩和など国土を保全する機能を発揮する場として、多面的な機能を有している。しかし、農業を取り巻く環境は大変厳しく、高齢化や輸入農産物の増加などによって耕作放棄地が増加し、さらに農地の区画整理や大規模集約化などによって豊かな生物相を育んだ日本の農地は大きなダメージを受けている。そのような環境の中で、豊かな生物相の姿を次世代に残す取り組みが急務であると考えられる。 本事業では、農業上の害虫として嫌われているカメムシを対象とし、長野県内で撮影した「カメムシ生態写真図鑑」の作成を行った。写真データはデータベースソフトファイルメーカーProによって整理した。カメムシは害虫として扱われるもの以外に、単に農地周辺に生息する「ただの虫」として生息しているものもたくさんおり、ここでは、農地とその周辺で観察されたカメムシをそのままの菅田で撮影した。今回撮影されたカメムシは害虫として認識されるものに加え、肉食性の捕食者として益虫の働きをするもの、周辺の雑木林からたまたま農地に飛んできたものなど86種を取り上げている。 関連成果物
|