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花博自然環境助成事業

平成20年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 伊予農希少植物群保全プロジェクトチーム〔愛媛県/愛媛県松山市平井町〕
事業名 ツマグロキチョウに春を呼べ!!~ため池堤体法面改修における希少植物の保全活動~
事業の実施場所 愛媛県松山市平井町
事業の実施期間 平成20年4月~平成21年3月
事業の概要 老朽化したため池の改修工事が進む中、堤体法面に希少植物が確認された。この中には絶滅危惧種ツマグロキチョウの唯一の食草カワラケツメイがあり、放置すれば共に種が消滅するため希少植物と蝶の保全活動を行った。
成果の要約

[学術研究の分野]

  1. ため池で愛媛県RDBの絶滅危惧Ⅱ類(VU)5種と情報不足DDのカワラケツメイが確認された。このカワラケツメイは、環境省RDBの絶滅危惧種ツマグロキチョウの唯一の食草でもあり、カワラケツメイの保全を最優先して行った。
  2. 希少植物の残る堤体表土を剥ぎ取り、仮置きした後に、堤体工事改修後、再び表土を堤体法面に張り付け、カワラケツメイ、ワレモコウ、タヌキマメと、競合するセイタカアワダチソウ、センダングサの外来種の発生位置座標と本数、草丈を調査した。
  3. 選択的草刈りを実施し、在来種2種と外来種2種の発生位置座標と本数、草丈を調査し、草刈り実施前後を比較して効果を検証した。
  4. カワラケツメイ、ワレモコウ、モロコシガヤの発芽率を調査し、カワラケツメイについてはポットで育苗した後、植生シート中と天端法肩に移植した。また、表土張り付け部から自然発生した株とともに生育調査をした。
  5. 天端法肩10cmと20cmの深さにテンシオメータを埋設して、カワラケツメイの移植株と土壌水分の関係を調査した。その後、堤体法尻と植生マット中にもテンシオメータを埋設して土壌水分を調査し、サンプル株として掘り取り、ポットと露地に植えて育苗していたイガクサ、ヒメノハギ、ワレモコウ、モロコシガヤを堤体に移植した。
  6. ツマグロキチョウの調査をため池とその周辺で行い、成長過程を確認した。
  7. 平成21年2月には表土を張り付けた堤体法面に火入れ(野焼き)を行った。今後、火入れの効果を検証する。

[啓発活動]

  1. 地区のため池では、草刈りや火入れ(野焼き)といった人手による伝統的管理が行われており、土地改良区や愛媛県、愛媛植物研究会と連携し、これらの伝統的管理を継承した。
  2. ため池改修工事の必要性や工事方法、希少種の分布や人手による伝統的管理の効果など、活動内容をCDに収録しデジタル教材化した。さらに、周辺の教育機関に配布し、あわせてアンケートによる外部評価を行った。

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作成したホームページのトップ画面

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カワラケツメイを説明するページ

関連成果物(公表した論文、活動の写真等)

  1. デジタル教材化したCDは、啓発パンフレット共に松山市、松前町、伊予市、東温市の小・中学校、公民館に配布した。
  2. 「ツマグロキチョウに春を呼べ~ため池堤体における希少種の保全活動~」として、学校のホームページ(http://www.esnet.ed.jp/iyo-ah/)にリンクさせ、インターネットにより配信し、不特定多数の人を対象に、常時、閲覧できる。

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