花博自然環境助成事業
平成22年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) |
貝塚市立自然遊学館「わくわくクラブ」〔大阪府〕 |
代表者 |
会長 山口 進 |
事業名 |
生きもの生息環境調査の継続と環境学習リーダーの育成 |
事業の実施場所 |
貝塚市立市民の森「自然生態園」、泉南のため池 |
事業の実施期間 |
平成22年4月~平成23年3月 |
事業の概要 |
自然生態園や泉南のため池において2009年から生物・環境の専門家の指導により行っている比較調査を継続し、調査技術の向上、調査データの蓄積を図る。また、自然観察会などで、専門家の助手として会員が得意分野の解説や指導に加わり、他の会員や市民参加者の環境学習を助ける。 |
成果の要約 |
- 「トンボの池」の方向性
フィールド調査から、自然生態園「トンボの池」の当初計画目標であった「地域の身近な自然の再生」が妥当であることがわかった。また、現行の維持管理手法の方向性にある程度の自信を持つことができたが、今度の永続的な管理作業を考えると、計画理念と管理技術の次世代への継承が、課題として一層クローズアップされた。 - 外来種との共生
トンボのヤゴの敵として、アメリカザリガニの全滅を目指してきたが、現行の池さらえやモンドリ捕獲での限界を知り、見学交流会や学習会での議論から、今後は自然観察会開催時のタモ網による捕獲とモンドリによる日常的捕獲による抑制型に変更し、メダカなども加えた共生状態を維持することとした。 - 「身近な自然」への理解
自然観察会では、毎回、会員も一般の参加者も、水中の「生きもの」の奥深さに驚き、常に新しい発見を経験できている。そして「身近な自然」の維持に多くの時間と人力が必要なことにも一定の理解を得ることができた。また、簡単に採集できるアメリカザリガニをテーマに、外来種のことや生物多様性について具体的に考える機会を持つことができた。 - 情報収集と発信の効果
見学交流会や学習会で、市民主体の環境学習に取り組んでいる各種団体との情報交換・交流を通じ、自然生態園の維持管理手法や外来種の取り扱い、また、館内展示手法やイベントの内容・PR方法などについて、新しい知見を得ることができた。 - 人材の育成と次世代への継承
フィールド調査や自然観察会における生きもの観察や調査手法の学習、見学交流会や学習会での情報や意見交換を通じて、会員の自然環境学習的要素のスキルアップが図られた。これらのことは、活動を見て育つ子ども世代への伝達にも表れ、10月に開いたミニミニ発表会では、ジュニアの部の会員からメダカとグッピーの比較について話題提供されるなど、具体的な進展が感じられた。
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