平成25年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) | NPO法人 生物多様性研究所あーすわーむ〔長野県〕 |
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代表者 | 代表理事 南 正人 |
事業名 | 金華山島のニホンジカの出生・生残のモニタリング |
事業の実施場所 | 宮城県石巻市鮎川浜金華山 |
事業の実施期間 | 平成25年4月〜平成26年3月 |
事業の概要 | 宮城県金華山島北西部に生息する個体識別されたニホンジカ集団において、各個体の生残状況を定期的な目視により査定し、生残率や局所的個体群密度を正確に算出する。また、各雌の出産状況と新生仔の生残状況を目視により査定し、出生率および初期死亡率を算出する。 |
成果の要約 | 調査対象個体群における1991?2013年における年々の冬期生残率と出生率は、ともに前夏の個体群密度との間に有意な負の相関関係が認められた。これらのことから、ニホンジカの冬期生残率と出生率の密度依存性は、少なくとも過密個体群においては極めて強いことが改めて実証された。 2012年から2013年にかけての冬期における対象個体群の生残率は94.1%、2013年の出生率は44.0%であった。これらの値は、いずれも同集団の過去の平均値よりやや高かったが、前夏の個体群密度から予測される値(密度効果のみを考慮した場合の予測値)とほぼ一致していた。これらの結果から、2011年の東北太平洋沖地震に伴う生息地の破壊がシカの個体群パラメータに及ぼした影響は、密度効果を打ち消すほど大きなものではなかったか、かなり遅効的なものであることが示唆される。 |