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花博自然環境助成事業

調査研究開発助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 薩南ニホンジカ調査研究ネットワーク〔北海道〕
代表者 代表 立澤 史郎
事業名 大隅諸島の移入シカ管理と生物相保全のための基礎研究
事業の実施場所 鹿児島県熊毛郡熊毛諸島(種子島、馬毛島、屋久島、口之永良部島)、札幌市
事業の実施期間 平成27年4月~平成28年3月
事業の概要 島毎に別亜種に記載される大隅諸島(屋久島・馬毛島ほか)のニホンジカについて、歴史資料とDNA分析の両面から人為的移出入の履歴を明らかにした上で、島嶼生態系変容との関係を考察し、統合的な個体群管理の指針を提言する。
成果の要約
  1. 文献・情報調査(歴史調査):初年度に収集された情報をふまえ、散逸している古文書類・行政記録等の収集を行った。特に本年度は、映像(動画、静止画)情報の記録について集中的な調査を行い、各島のシカ管理の歴史にかかわる未確認資料約15点を発掘し、分析・検討を進めることができた。
  2. 生物相記録の収集(生物相調査):各島の生物相に関する資料を収集・整理した。今年度は特に、現地調査(資料作成者に対する聞き取りなど)による,原資料(原出典)の洗い出しを集中的に行い、原典不明であった18点の基本資料について、原典を明らかにすることができた。また、口之永良部島については、噴火・避難指示解除後初めての現地調査を行い、初年度調査とあわせて、噴火前後の比較ができる貴重な記録が得られた。
  3. サンプリング調査:初年度に引き続き、①の関連地域間の遺伝子情報の比較をめざして,地元行政(西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町、鹿児島県)の協力のもと、2島5カ所における有害捕獲個体からの遺伝子サンプル(肉片)の採取を行うことができた。
  4. 馬毛島違法開発問題に関する資料分析:2000年より行われている馬毛島における違法開発の影響に関して緊急活動(討議、資料収集・分析)を行うことで、地元市民(漁民)と開発企業との間の裁判および公害等調整委員会に客観的資料を提供できた。

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