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花博自然環境助成事業

調査研究開発助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 団体名(所在地) 特定非営利活動法人 山の自然学クラブ [東京都]〔東京都〕
代表者 理事長 大蔵 喜福
事業名 気仙沼市本吉地区における海岸植物の市民参加型調査
事業の実施場所 宮城県気仙沼市本吉地区
事業の実施期間 平成27年4月~平成28年3月
事業の概要 市民参加型の調査によって、気仙沼市本吉地区における海岸の植物の分布や生育状況、群落構造、立地条件、人為の影響についての調査を行う。その結果を踏まえて今後の追跡調査について、また、貴重種の保護計画等もあわせて検討する。
成果の要約

講師を呼んでの観察会・調査体験・植物等の採取体験活動 4回

  1. 6月6日~7日 地質と化石の観察会 サンプル採取 講師:鎌田耕太郎
  2. 7月26日(日)および28日 砂浜と海岸植物の観察会 植物採取 講師:鈴木玲,中村華子
  3. 9月12日~13日 森と植物の観察会 講師:石井誠治
  4. 10月10日~12日 樹木と海岸植物の観察会 および種子採取 講師:橘隆一

震災後、海に近づく機会がなくなっている子ども達に、砂浜を歩いてもらうことがきた。海水浴などもできず、屋外へ出る機会の少なくなっている子どもが、自然観察会だと喜んで出かけてきてくれる、という話もいくつか聞いた。このような充実した内容と、実体験を伴う観察会の効果が高いことを実感する。

参加して自分の目でみる体験をすると、ふだん見慣れているはずの海べの風景や、植物、葉っぱや花も大きく違って見えるようになる。また、震災後、津波により一度は消失してしまった砂浜の砂や、海岸の植物が戻ってきている。このような大きく環境が変化している海岸の現状をしっかり見てもらうことで、継続的な観察の重要性を理解してもらえたと考えている。

今回の調査により貴重種等の分布状況が明らかになり、その成果を元に気仙沼市や宮城県自然保護課と話し合った結果、モニタリングを継続するほか、公共事業によって影響を受ける植物を現地で保存・移植することなどもあわせて実施できることになり、今年度、本調査と合わせて採取の活動を行うことができた。海べの森をつくろう会の所有する現地苗畑で保育・育成して将来現地の海岸へ戻すことを検討している。

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