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花博自然環境助成事業

平成28年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) NPO法人生物多様性研究所あーすわーむ〔長野県〕
事業名 草原環境の保全のための野生動植物のモニタリング調査
事業の実施場所 長野県軽井沢町
事業の実施期間 平成28年4月~平成29年3月 (全体計画:平成28年4月~平成31年3月)
事業の概要 亀岡市内に営巣されたツバメの巣やねぐらの位置の情報提供を、市民に呼びかける。得られたデータは地図にまとめ、配布物を作成し、地域の自然の状況を知る材料として活用する。
成果の要約
  1. 草本類を中心とした植物のリスト化
    166種の維管束植物を記録し、草原環境を特徴づける種69種を確認した。さらに希少種5種および外来種3種の確認をした。特徴として、低地から高山地、乾燥地から湿地までの様々な環境に生育する種が同所的に生育していることが明らかとなった。アカマツの侵入だけでなく、ススキの大型化が草本類に影響を及ぼしていることも明らかとなった。
  2. 蝶の種と個体数を記録するライントランセクト調査
    5科50種を記録し、そのうちRDB種6種を確認した。RDB種は全て草原性の種であり、特にヒメシジミ、ギンイチモンジセセリは個体数が多かった。50種のうち草原性蝶類は29種となり、草原性蝶類を多く含み、森林性、林縁・疎林性の蝶類も生息する多様な蝶類相であることが明らかとなった。
  3. 鳥のライントランセクト調査
    27種を記録し、5種がRDB種であった。過去の調査記録を含めると、本調査地には7種のRDB種が確認されたことになる。7種のうち5種は草原性であり、本調査地が草原性の鳥類の重要な生息地となっていることが明らかとなった。
  4. センサーカメラを用いたシカの出現状況調査
    センサーカメラに撮影された哺乳類種は10種で、そのうちシカが最も多く撮影された。また、積雪が深い2月を除き、7-3月まで撮影され、通年を通して滞在していると思われた。子ジカを連れている成獣メスが定着しており、本調査地で出産、育児を行っていることがわかった。
  5. その他の予備的な調査
    バッタの捕獲・同定
    秋に2回捕獲を行い、同定(バッタの研究者に依頼)した。7個体を捕獲し、4種を確認した。今後調査を行うことで、さらに生息種数が増えると思われる。
    ハナバチ類の生息調査(ハチの研究者に依頼)
    夏に、ノアザミおよびノハラアザミに訪花したハナバチを観察して、種と個体数を記録した。4種のハナバチを確認し、その中で、比較的高標高に生息するミヤママルハナバチのワーカーおよびオスを記録した。

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