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花博自然環境助成事業

平成29年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 公益財団法人高知県牧野植物園〔高知県〕
事業名 植物標本管理のためのプラットフォーム形成事業
事業の実施場所 ミャンマー連邦共和国及び高知県・徳島県
事業の実施期間 今回計画:平成29年4月~平成30年2月
事業の概要 ミャンマー連邦共和国においてこれまで収集された葉標本について①鑑定をし、②データベース化するとともに③これらを現地標本文庫スタッフと協働で実施することにより専門員を養成し④葉標本管理のためのプラットフォームをミャンマーに形成する。
成果の要約

ミャンマー連邦共和国(以下ミャンマー)においてこれまで収集された腊葉標本について1)鑑定をし、2)同定結果のデータベース化を行い、3)これらを現地標本庫スタッフと協働で実施することにより専門員を養成し、4)腊葉標本管理のためのプラットフォームをミャンマーに形成することを目的に事業を実施した。

申請団体がこれまでミャンマーで採集した標本約26,000点について、鑑定およびその結果をデータベース化し、加えて既存のデータについて鑑定された標本をデジタル化することで、種類ごとに少なくとも1点の画像を検索可能とした。また引き続き現地にてインベントリー野外調査を行った。

これらの技術について、牧野植物園標本庫(MBK)に国内唯一の国際登録標本庫を有する天然資源環境保全省森林研究所(RAF)より3名の研修員および所長を招聘し、研修および視察を実施した。なお、ミャンマーにて平成28年度標本鑑定の方法については検索表を用いて指導を行ったが、文献や比較標本、実体顕微鏡の不足により、研修生は方法についてフローは理解できたが実地に学ぶ機会とならなかった。今回は条件が整った牧野植物園標本室でリーダーを育成することを目的に標本鑑定とデータベース技術指導を実施することにした。

牧野植物園標本庫ほかでの研修は、平成29年6月21日(水)〜7月2日(日)までの期間、森林研究所から派遣された研修員Ms. Deliver Htwe, Ms. Shwe Lone, Ms. Ei Ei Zinの3名に対し、以下の項目を実施した。

  1. 植物園の役割と保全について(照葉樹林視察を含む)
  2. 標本鑑定方法(1)検索表をつかった同定
  3. 標本鑑定方法(2)同定のための観察、記録方法
  4. 標本庫管理方法・データベース・ラベル作成方法
  5. ラン科植物栽培、組織培養技術、河野メリクロン視察

また、プラットフォームを形成するにあたり、標本庫の役割と標本庫に付随する必要不可欠な設備等への理解を深めるため、森林研究所長Dr. Taung Naing Oo氏を平成29年12月に牧野植物園に3日間、招聘した。

野外調査での標本の収集、インベントリーは平成29年6月、7月および平成30年2月に実施した。それぞれ森林研究所研究者が、1名、2名、2名参加し、現地森林局職員が5名、4名、11名参加した。採集した標本点数は、463, 490, 222点であった。また、平成29年6月12日にワークショップをFRIで開催し、インベントリーと植物誌、多様性保全および水資源保全などの重要性について講義をし、59名が参加した。

現地における標本管理・データベース研修は、カイン州薬用植物資源センター(日本財団支援事業)で平成29年8月の6日間、標本の収集方法に加えて、エクセルを用いたデータのとりまとめおよび撮影した植物写真の管理方法を、同センター職員2名に実施した。

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