古屋の集落は、京都府の北部、綾部市の山里にあり都市部から離れており、アクセスに難があるため、移動や滞在にかかる費用が発生する。助成によってこの移動のコスト負担を軽減することができた。また、古屋での新たな活動の展開に必要な機材などを整備することができた。
古屋の活動はテレビや新聞に度々取り上げられることで知名度も高まり、個人で参加する人も増えてきている。その中にはボランティア活動のリピーターとして毎年古屋に訪れる方も多い。
従って、常に古屋の魅力を発信し続けることが古屋を維持する上で必要であり、地域資源をマップにして配布し、クラウド環境を活用した地域資源のスマートフォンでの可視化などが、今後の若い世代へのアピールになることが期待できる。古屋の活動は、参加者の年齢層の幅が広く、活動を通じて上の世代の経験や知識が下の世代に継承されていく仕組みがある。特に都会で育った大学生が古屋の魅力を通じてかつての暮らしの記憶に触れることができるのは、今後の過疎地域での地域再生につながっていくことが期待できる。
古屋の記憶継承プロジェクトの事業を実施することで、古屋の集落を支えているさまざまな活動へ他のボランティア団体・個人の方々と共に参加することができた。樹名版の作成や散策イラストマップ、PR用のドローン空撮などの成果を得ることができた。古屋の記憶を継承するために、GIS(地理情報システム:Geographical Information System)により、谷の名称や散策路の名称とその位置を記録することができた。この記録は今後さらに進めていく予定である。
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