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花博自然環境助成事業

平成30年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 伊吹くらしのやくそう倶楽部〔滋賀県〕
事業名 伊吹の薬草復活プロジェクト
事業の実施場所 滋賀県米原市小泉1番地 滋賀県米原市小泉1番地 農家民宿・農家レストラン元氣堂及び小泉地先棚田農家民宿・農家レストラン元氣堂及び小泉地先棚田
事業の実施期間 平成30年4月1日~平成31年2月28日
事業の概要 千年以上の歴史ある伊吹山の薬草は現在も全国的に大きなブランドとなっているが、地元では忘れられた存在となっている。これを復活させ、薬草栽培を地域のビジネスとして再構築していく。具体的には放棄された棚田を農耕地として復活させ、薬草園を創出。また、棚田内にある民家を拠点として薬草ビジネスを興していく。
成果の要約

小泉棚田における加害哺乳類の確認については、棚田周辺の山林内でセンサーカメラ3台を使用して、生息哺乳類の確認を行った。その結果、6目12科15種の生息を確認した。センサーカメラの撮影結果から、ニホンジカの生息数が多く、特に夏季に多くなると推察された。棚田に出没する加害哺乳類については、山林での調査とは別に田畑を対象にセンサーカメラ3台を用いてモニタリングを行った。その結果、ニホンジカとイノシシの出没が確認され、圧倒的にニホンジカの出没が多かった。
また、田畑においては、電気柵の設置の前に忌避剤の防除効果の確認を行った。その結果、特にニホンジカについては効果が期待できないものであった。このことから、ニホンジカに対応できる電気柵の設置が必須であると考えた。
電気柵の通電を管理するパワーユニットは、電気配線を6段以上用いても500mを超える柵の延長が可能な能力を持つものを選んだ。また、昨年の台風被害で断線が起きたことで、長期に渡り電気柵が機能しない事象が起きた。このため、今年度に導入した電気柵には、ソーラー発電ユニットを導入した。防除効果の高い電気柵により、ニホンジカやイノシシによる栽培薬草の被害を防ぎ、確実なプロジェクト推進につなげたい。
なお、生息する哺乳類の調査結果は、環境省が全国規模で実施している自然環境調査(モニタリング1000)としても活用される。
昨年度の取り組みとして発表した小泉棚田に生育する薬草目録については、その成果をさらに整理して、滋賀自然環境研究会が発行する「滋賀自然環境研究会誌16」に掲載された。この報告ではこれまでに確認した薬草64種について、その薬用部位と用途について記載した。

集合写真 しし防・しか防_上段畑の設置後 ツキノワグマ