平成30年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) | 特定非営利活動法人大阪公立大学共同出版会〔大阪府〕 |
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事業名 | バーチャル常世文庫の創設と関係資料のアーカイブ化 |
事業の実施場所 | 大阪府堺市中区学園町1-1 公立学校法人大阪府立大学内 |
事業の実施期間 | 平成30年4月1日~平成31年2月28日 |
事業の概要 | 南方熊楠、中尾佐助とも親交のあった世界的資源植物学者、田中長三郎の残した貴重な一次資料をアーカイブ化し、「バーチャル常世文庫」としてweb公開するとともに、紙媒体および電子媒体の刊行を促進する。 |
成果の要約 | 本事業は、一般の公共施設が担うべき、人類共有の文化財ともいえる文書、収蔵品の「保存と公開」の、ともすれば二律背反しがちなテーマにチャレンジするものである。
すなわち、これまでわが国では蔑ろにされがちであった古文書等の、有形、無形文化財をデジタル化することによって、展示利用に、消失・劣化の危機に瀕している文化財の可視化・復元にも寄与するもの、ようやく日の目を見ようとする機運にあるものである。いわば「文化財コンテンツ」の試みとでも言い得るであろう。ごく近年、我が国の大手出版社でも、近未来的ビジネスモデルと称して、参入する機運が見て取れる。
しかし、昨近の日本的中央集権的体制の中で、果たして、地域、小規模、しかもマスコミ受けしない文物の「保存と公開」が保持できるのだろうか?その中にあって、特定非営利活動法人としての学術・啓蒙を目指す出版会にとっては、チャレンジングな試みであった。
田中長三郎という、一人の応用自然科学者の生涯における足跡を辿りつつ、「自然と人間の共存」、さらには「歴史の中の人の営み」を互いに共有し、延いては現今のもっとも保存・展示機能の高さで優れている、「紙媒体による普及・保存・利用」に連携できることこそ本プロジェクトの終極の目標と言い切れるのではないだろうか。
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