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花博自然環境助成事業

平成30年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) モンゴル森林再生促進研究会〔滋賀県〕
事業名 「倒木遮蔽更新」仮説を応用した再生促進技術の開発
事業の実施場所 モンゴル国フブスグル県ハトガル周辺の山火事跡再生困難地
事業の実施期間 平成30年4月1日~平成31年2月28日
事業の概要 降水量が少ないため、山火事後の再生が困難なモンゴル北部で、森林観察で着想を得た「倒木遮蔽更新」仮説を応用した森林再生促進技術の開発を行い、その成果を現地の人々に共有してもらうために研究調査、発表、論文化を行う。
成果の要約

倒木陰への植林の結果は、273本植えて36本の山羊などの食害による枯死と20本の枯死という結果で、(生存個体の)食害による枯死を除いた植樹の活着率は91.6%と9割を超えた。従来の焼け跡に普通に植える方法では4割という(北部ムルンと東北部ヘンティでの森林関係者への聞き取りより)ことから飛躍的に活着率が上がったことになる。
また、ヘクツアルとアゼクツアルの2カ所の異なる山火事跡地で行ったが、両方とも、9割を超える活着率で今回は活着率に場所の差は出なかった。
活着率が大幅に向上したことはうれしい結果だった。
倒木の方向調整も思ったほど時間がかからなかったのは、道がつけられ、薪取りにより前もって大部分の焼失立木が伐られ、オープンになっていたからであるが、逆にそういうところから始めるのが良い方法かと思う。
 
今回は特に倒木陰でもすぐに光が当たるサイズの大きい大苗への応用を中心に行ったが、2回目の植林の時はたまたま小さい苗しか入手できず、両方の比較も
先々行えるだろう。
倒木陰の実生の立地環境の照度測定も行った。その結果9月7日の測定では、倒木の端から0cmから25cmまで朝と夕方にふた山のピークがある変化を示した。その照度のピークは倒木に近いほど早く現れ、ピークが低かったが、離れるにつれ、遅く現れピークの値も大きくなった。ピーク間の底地も離れるにつれ上昇した。最適域での倒木によって遮蔽されているときの明るさと、南中前後の4時間ぐらいの遮光が効果的に見えるが、午後からの積雲通過で午後のデータは不完全だった。まだ試行段階である。

事業の様子4 事業の様子3 事業の様子1 事業の様子2