令和元年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) | 洞爺湖生物多様性保全協議会〔北海道〕 |
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事業名 | 洞爺湖ウチダザリガニ捕獲調査事業 |
事業の実施場所 | 洞爺湖(北海道虻田郡洞爺湖町)、有珠郡壮瞥町 |
事業の実施期間 | 令和元年7月1日~11月24日(実際の捕獲期間) |
事業の概要 | 平成19年より洞爺湖に生息するウチダザリガニを生態系保全のため酪農学園大学と連携して捕獲調査を行っている。継続した取組みにより、現在はザリガニの爆発的な増殖が抑制されている。また、広く外来種対策とするため啓発活動として、ザリガニの捕獲体験を通じた環境学習を実施している。 |
成果の要約 | 今年度は、従来の洞爺湖南岸の捕獲調査に加え、北岸も当初から捕獲調査を行った。北岸での捕獲は船舶を利用しなければならないことから、費用負担の面等で協議会の予算規模や人員体制では大変厳しいものだった。 南岸の調査結果は、生息域の東西で捕獲数が多く、大型個体が多く捕獲された。過年度のデータからも同様の傾向が見られていることから、生息域の東西のカゴ罠を増やす等したことにより、多くの個体を捕獲することができた。次年度はより捕獲圧を高め、捕獲個体の小型化と低密度管理ができるよう捕獲調査を継続する。 また、今年度はウチダザリガニの連続捕獲装置の実証試験を行うことができた。装置は現行の捕獲カゴと同程度の捕獲効果が得られたことから、次年度は大幅に作業効率が向上する装置を可能な限り実践投入し、生息域の拡大防止とザリガニの増殖抑制に繋げていく。 洞爺湖北岸では、当初から捕獲調査を行ったことにより、多くのウチダザリガニを捕獲することができた。特に平均重量は、昨年度の66.6gに対し今年度は50.8gと大型個体の減少に繋げることができた。今後も継続することで一層の大型個体の減少と生息数の低減化を図っていく。 また、ソウベツ川での侵入調査では、ウチダザリガニの生息は確認されなかった。 【普及啓発活動】 啓発チラシを作製し、キャンプ場や公共施設で配布したことから、多くの人に啓発を行うことができた。シンポジウムは、地元住民を中心に外来種問題の啓発と捕獲調査活動の重要性を理解してもらうこと等を目的に令和2年2月23日(日)に開催予定であったが、北海道内で拡大する新型コロナウイルスの拡大防止のため、中止することとなった。 洞爺湖の生物多様性を保全するため今後も継続的に捕獲調査活動を実施するには、地元住民の理解は不可欠であり、次年度以降もシンポジウムや環境学習の実施に力を入れていく。 |