(1)土壌分析 ①菰野富士山麓のアカガシの森・コメダの森・ふれあいの森の土壌分析を実施し、域内の森林土壌の物理的・化学的性質・生物的性質の統合的理解を進めた。分析結果を基にして、ヒノキ常緑針葉樹人工林・スギ常緑針葉樹人工林・落葉広葉樹雑木林の森林土壌性質を比較検討し、報告書にまとめ、コメダ珈琲(株)等の関係先へ提出した。 ②アカガシを中心とする植樹祭予定地2か所の土壌硬度分析を行い、深さ100cm程度まで樹木根が成長し、根を張るのに成長に適した硬度(軟らか度)を有することを見出して報告書にまとめて関係先へ提出した。 ③上述の土壌分析を基にしてアカガシ植樹に適した植樹祭予定地を選定できた。植樹祭において、アカガシ苗を中心とする種々の苗木を植えてアカガシの森再生の第一歩を踏み出した。 (2)土壌改良 ①酸性土壌中和等々の土壌改良の為に、粉炭撒布の有効性を確認し、報告書にまとめ、関係先へ提出した。炭撒布法としては、竹筒法に比べ地面直撒き法が優れていることを見出した ②この知見を活かし、アカガシの苗植植樹後に粉炭を直撒き法にて撒布し、土壌改良を実施した。 (3)育苗 ①鈴鹿国定公園内の鈴鹿峠付近の当会活動地であるホンダの森において、地域固有種のアカガシの実生苗を採取できた。アカガシの老木よりも壮年木の林床に健全な実生苗が多いことも見出した。 ②前年度に採取し育苗したアカガシ苗は20~40cm程度に成長したが、植樹に適した樹高100cmに達しなかった。そのため、植樹祭に用いる苗を地元の宮川森林組合から地域固有種苗を購入した。 ③(株)高速道路総合技術研究所緑化技術センターを訪問し、地域固有種の育苗技術について習得でき、NPO森林の風の育苗技術のレベルアップに寄与した。
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