(1)実施経過 地球規模で進行する生物多様性・生態系の破壊に対応するために、2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約締約回締約国会議(COP10)において日本から提案されたSATOYAMAイニシアティブが採択された。この問題提起を受け【思索は地球規模で・行動派地域規模で!】を掲げて 射水市入会地内の耕作放棄された農地や山林を活用し、減少しつつある希少動植物や地域在来動植物の保全を図り生物多様性豊かな里山ビオトープを形成する事業を開始した。 ※特に富山県カテゴリー絶滅危惧Ⅰ類に指定されているホクリクサンショウウオや絶滅危惧種のアカハライモリ・トノサマガエル等の自然産卵の環境づくりに取り組んだ。
(2)実施内容 A.侵入竹やセイタカアワダチソウ等の外来植物などに覆われ荒廃した山林において侵入竹を伐採し、主として地域在来種の昆虫類等の餌になる広葉樹の食草・食樹を植林し、植物相豊かな森林を造成した。 B.カエルやサンショウウオ・イモリ等の両生類やトンボ・ホタル等の水中に産卵する昆虫類等の産卵地を確保するために山間地の休耕田に年中水を湛える池や水路を造成し、地域在来生物の保存を図った。 C.里山の魅力・生物多様性の理念を発信するために自然観察会や自然環境セミナーなどを行い、子どもからシニア世代までの幅広い環境教育を行った。 約0.8haの生物多様性保存型里山ビオトープを造成した。 A 植物相豊かな森の造成(侵入竹を除去し広葉樹の森に移行) 侵入竹300本伐採・チップ化・地域在来種の広葉樹の植樹約200本。 ※侵入竹を伐採し建設機械を使用し根等を除去し堆肥を使用し客土を実施した。 B 地域在来動物や希少生物(両生類や昆虫類等)の産卵場所の造成。 水路3ヶ所・池1ヶ所などを造成した。 C 山林作業の安全講習・自然観察会・自然環境セミナー等を開催し 子どもからシニア世代までに幅広く里山の役割や生物多様性の理念 の普及を図ることができた。 ※新型コロナの影響で予定していた里山ビオトープフォーラムは延期 となりました。 造成した(造成中含む)池や周辺のビオトープ等に多数の両生類等が自然産卵した。 ※当協会は動物の放流や移入は行わず周辺からの自然呼び込みを基本としています。 産卵を確認した主な両生類 〇ホクリクサンショウウオ(富山県カテゴリー絶滅危惧Ⅰ類) 〇アカハライモリ(富山県カテゴリー準絶滅種) 〇クロサンショウウオ 〇トノサマガエル(富山県カテゴリー準絶滅危惧種) 〇モリアオガエル 他
|