スキップして本文へ

花博自然環境助成事業

令和4年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) かせやまの森創造社〔京都府〕
事業名 生きものの谷再生プロジェク
事業の実施場所 京都市木津川市鹿背山
事業の実施期間 今回計画 :令和4年4月~令和4年7月 (助成対象期間) (全体計画:令和4年4月~令和5年3月)
事業の概要 30年近く耕作放棄されブッシュ化した棚田を草刈りや掘り起こしで再生し、ヤマトサンショウウオなどの生息のための水面(湿地)をつくる。そこで「かせやまの森学校」を開催し、米・セリ・レンコンなどの湿地の作物を市民参加で育てる。現場の竹を活用して害獣防護柵やベンチや日陰だなをつくる。
成果の要約

両生類学の専門家に相談し、ヤマトサンショウウオなどが生息しやすい湿地環境を増やして、将来的にも人々が関与しやすい場づくりや動機付けを行うこととした。

生きものの谷の入り口で試験的に棚田跡の池を掘ったところ、カエルやトンボが戻ってきて産卵した。当会が主催する森学校で生きものの観察会を行った。合わせて交流拠点(かせやまの森創造センター)を整備し※、地域の市民グループや学校が活動しやすくなった。

※排水改良、竹ベンチ、竹テーブル、ピザ窯(覆い屋)、竹テントの整備

棚田跡を生きものの池にすることを学び、今後も継続したい。かせやまの森のOECM(自然共生サイト)認定に向けた環境省のヒヤリングがあった。当会などの活動が生物多様性を保全する活動として評価されたかと思う。

また今年2月には京都府主催「若手のための生物多様性保全研修会 ~第4回:木津川市鹿背山地域における放置竹林の整備など」の研修地となった。その主旨は「京阪奈丘陵に位置する木津川市鹿背山地区において、竹林整備などを通して里山保全活動を体験します。伐採した竹を活用し、保全活動を持続的に回している取組について学びます。」というものである。保全活動のモデルとなれば幸いである。

本事業で活用した竹材は地元の竹林ボランティアが伐採し加工したものを購入した。地域のスモールビジネスである。里山の自生種での都市緑化事業も行っている。

当会は「かせやまの森学校」を主催し市民の参加を呼びかけているが、子育てNPOや食と農の市民団体や小学校・高校の皆さんも私たちのフィールドを活用して、学習や里山体験をしてくれる。多くの市民(のべ1000人以上)が里山を知る機会をつくっている。

里山を管理する市民と訪れ体験する市民が交流し、小さな地域経済が育ってこそ、活動が持続可能となる。交流拠点を今回の助成事業で整備したことは活動基盤を整える必要条件であった。

なお当会の活動を紹介したレポートが台湾の国立屛東科技大学森林系コミュニティ林業センターから出版され、国際的な交流も生まれた。

04-12-01.jpg 04-12-02.jpg 04-12-03.jpg 04-12-04.jpg