1.整備作業と「農」の拠点づくり 実施回数:2022年4月〜2023年2月にかけて、のべ21回実施 参加人数:各回6名前後 のべ約120名 月に2回程度のペースで、耕作放棄地となっている活動場所を整備し、野菜づくりや原っぱあそびができる「農の拠点」をつくる活動を継続的に行いました。活動に際しては、昨年に続き樹木医であり、養蜂家でもある山本香代子さんに活動全体の定期的なフォローアップをお願いし、畑づくりのご指導や生物多様性に関するレクチャーをしていただきながら進めました。
2.河内地域で活動する団体との交流 実施日:2023年1月23日 10:00〜15:00 参加者:大学生〜社会人 10名 今回の企画の軸として「河内地域での多団体との連携」をより深めるために、活動日の午後などを活用して、まずは近隣で活動している「富田林の自然を守る会」および「里山わびすけ」での活動に合流させていただき、それぞれの場所で展開している活動を知ってもらう場を設けました。特に「里山わびすけ」については、「河内長野市内」かつ「住宅地近接」で、「里山保全の活動」を行っているという、当団体と目的や解決したい課題に共通点が多くありつつも、参加している世代や属性(当団体は比較的学生~子育て世帯が多い、わびすけには学生は少なめであるが、シニアも幅広く参加されている)に違いがあることから、お互いをカバーしていくために連携を強化することで合意。年間を通じてお互いの参加者に活動情報を共有するなどの積極的な相互周知をはかりました。
3.より多様な参加をよびかけるためのイベント実施 地道な整備作業と並行して、本活動が目的としている農とのふれ合いや、河内地域に魅力を感じていただけるようなイベントを実施しました。
<主な実施イベント> ●タケノコ掘りと現地在住の樹木医によるお話 実施日:2023年6月18日 9:30〜14:00 参加者:未就学児から40代の子育て世代まで 12名 耕作放棄地となっていた竹藪に分け入り、タケノコ堀りと草刈りのワークショップを実施したのち、樹木医・山本香代子さんからお話を伺ったのち、参加者どうしで食事をともにしながら交流を深めました。 昨年から継続したイベントではありましたが、今回は子育て世代の参加が多く、森のあそび場のような場づくりも行うことができました。
●市民農園実践者による「働きながらの野菜づくり」ワークショップ 実施日:2023年8月20日 9:00〜12:00、13:00-16:00 (午前・午後で2回実施) 参加者:未就学児から40代までの勤労者・子育て世代 15名 兵庫県にて、働きながら学生たちとともに市民農園を運営している青山昌也さんを講師に招き、日野の活動場所にあわせた畑づくりの方法について意見交換とレクチャーを実施。月に2回程度という現状の活動状況に合わせて、自然環境と親和性が高い方法での土づくりや整備について教えていただきました。
●秋の収穫祭 実施日:2023年10月16日 10:00-16:00 参加者:10代から50代まで 12名 昨年よりも定例的な作業が進んだことから、まとまって野菜などの収穫ができるタイミングで「収穫祭」として食をたのしむイベントを実施。てづくりの場ながら、畑で獲れた野菜を皆で調理し分け合うことで、収穫の楽しみなどについて話し合うことができました。また、新たにフィールドを訪れていただいたかたには、畑だけでなく、自然環境を整備していくことに対する想いや活動の主旨についてもお伝えすることで、環境問題に対しての意識啓発も行いました。
●生物多様性を学ぶ里山ワークショップ(※「里山わびすけ」との共催イベント) 実施日:2024年1月13日 10:00〜17:00 参加者:未就学児から40代の子育て世代まで 25名 豪雨による土砂崩れによって、樹木が倒壊し、緊急で整備が必要となった「里山わびすけ」の支援もかねて、土中環境の環境再生作業の専門家であり、生物多様性ガイドでもある坂田晶子さんによる里山整備のワークショップを企画・実施しました。「里山わびすけ」の周囲にある「人工林」では土を掴む力が弱く、大雨や大きな地震があると倒れて、土と木が一緒に流れて土砂崩れを起こしてしまうリスクが高いことや、土砂崩れを起こしてしまった山が、次の土砂崩れを起こさない、しっかり保水できる良い土の山になれるような整備方法についてレクチャーを受けたのち、「しがら」(木や枝と落ち葉を使った天然素材の土留め)組むなどの整備作業を行いました。3〜5年かけて微生物に分解されながら苔や草が生え、菌糸や根が張る事で土の保水力が増し、大雨でも崩れない良い土地に生まれ変わるという、自然環境の循環についてもレクチャーしていただきました。
●パレットハウス建築ワークショップ 実施日:2023年12月18日、2024年1月14日、2月4日、2月18日、2月25日 各日9:00-16:00 参加者:小学生から40代まで のべ約30名 拠点整備の一環と、「木材や資源の循環利用」について学ぶ機会づくりとして、木から切り出されてはワンウェイで使用され廃棄される資材運搬用パレットを利用した「小屋づくり」のプロジェクトを立ち上げ、トランジションタウンやDIY、里山整備などに関心がある人向けにワークショップを企画しました。講師には、丹波で森づくりの活動をしている「Share Village(本業の屋号は「由良工芸社」)」の代表であり、ベテラン大工でもある吉田健さんをお呼びし、この拠点に建てるものとしてどのような小屋にしたいのか、周囲の環境と調和させていくためにどのようなデザインが望ましいのか、なども含めて参加者どうしで意見交換しながら、小屋づくりの作業を進めました。
昨年からの中核メンバーがスタッフとして中心的に活動してくれるようになったたことで、それまでは当団体の代表や理事が段取りしていたことの多くの部分を分担できる体制が整ってきました。新型コロナウイルスの状況も落ち着き、活動の体制が安定してきていることを実感しております。 この活動を地域に根差していくために必要なこととして、①近郊である「河内地域以南からの継続的な活動参加者を獲得していくこと」、そして②「近隣地域の他団体への活動にも参加者をつなげていくこと」を掲げています。①については、まだ数人ではありますが、北河内にあたる守口市や、さらに南の泉北地域にあたる高石市、泉南にあたる貝塚市などからの参加者が増えてきています。また、②とも関連することですが、すぐ近くで里山づくりを進めている「里山わびすけ」さんとの継続的な連携により、お互いの活動に関心をもち参加する参加者が少しづつ増えている状況です。
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