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花博自然環境助成事業

令和5年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) オープン台地実行委員会〔大阪府〕
事業名 上町台地の斜面緑地の魅力創造・発信事業
事業の実施場所 大阪府大阪市天王寺区下寺町周辺
事業の実施期間 今回計画 :令和5年4月~令和6年2月 (助成対象期間) (全体計画:令和5年4月~令和6年2月)
事業の概要 大阪市中心部に位置する上町台地の西側崖部には「斜面緑地」と呼ばれる広大な緑地帯が存在する。隣接する日本有数の寺町と一体となり、緑が少ないと言われる大阪市において貴重な緑の拠点を形成している。本事業はまちあるきやシンポジウム、マップ作成を通じて斜面緑地を広く周知し保全につなげるものである。
成果の要約

①まちあるきの実施
【ネイチャーガイド行く上町台地 ~まちなか自然 秋の斜面緑地のすがた~】
実施日時:2023年11月18日(土) 13:00~15:30、参加者:12名
実施内容:
大阪市の都心部に位置する上町台地の下寺町一帯にて、文楽や浄瑠璃などの文学や歴史に記されている生國魂神社や寺院を徒歩で巡りながら、現代の斜面緑地に生きる巨木や面白い特性をもつ樹木とふれあい、身近な自然を再発見するまちあるきを開催しました。まちあるきは、「ネイチャーガイド」として上町台地の自然調査を行っている大阪公立大学附属植物園 名波園長に案内いただきました。
都市でよく見かけるイチョウやクスノキだけでなく、様々な種類のドングリ、原生的な樹木や草花など下寺町の斜面にある植生をめぐり、都市の中から緑が減っていく中、上町台地の緑地の風景は上町台地の資源であることを実感しました。
参加者は市民・大阪府内の遠方からなど様々でした。地域のまちあるきボランティア活動に取り組んでおられる方もおられ、詳しく地域を知っていても、植物を詳しくみる機会がなく、新しい発見が多く、また機会があれば参加したいとの声をいただきました。

②シンポジウムの実施
【上町台地の斜面緑地を考えよう(これまで・いま・みらい)】
実施日時:2024年2月10日(土) 14:00~16:00、参加者:15名
実施内容:
上町台地が都市の緑地として住民とまちへ与える価値を考察するシンポジウムを開催しました。モデレーターとして大阪大学の松本助教を迎え、まちあるきを振り返りながら、各パネリストより話題提供をいただき、パネルディスカッションを行いました。
各話題提供は、大阪公立大学付属植物園 名波園長より「大阪の“ほんまもんのみどり”を目指して」、大阪公立大学 高木講師より「上町台地・斜面緑地のランドスケ
ープ:景観工学的立場から」、大阪大学 松本助教より「絵図にみる上町台地と斜面緑地」をご講演いただき、斜面緑地が持つ自然の魅力だけではなく、文化・歴史、
地形的な魅力の切り取り方について示していただき、過去・現在からこれからどの
ような価値を伸ばすべきかを議論しました。

③パンフレットの作成
まちあるきやシンポジウムを通じて整理した、斜面緑地の魅力を発信するパンフレットを作成しました。上町台地の斜面緑地で触れ合える植物を中心に、歴史・文化・人の魅力を発信する成果物として作成しました。パンフレットは、公共施設等で配布いたします。
緑が少ないと言われる大阪の都市部において、上町台地の斜面緑地には帯状に多様な樹種が群生し、大阪の歴史・文化とともに育まれてきた、生物多様性に寄与する貴重な自然環境として魅力を持つことを広めることができました。また、パンフレットの作成によって、歴史・文化ともに育まれた自然環境を守るために、新規住民を中心に斜面緑地への来訪を促し、地域の文化や自然環境への愛着を高めることに寄与する活動ができました。

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